ご本尊他
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不動明王
ご本尊不動明王は、除災開運の明王で、福寿増長、諸願成就、交通安全、除災招運、不思議の霊得を蒙って、災難の塵を払い、永く福徳の影を宿すこと疑いありません。
この不動明王は、江戸中期の作と伝えられ、作者は不詳ですが、「更級日記」(1020年、寛仁に四年)にある、千葉市の史跡「お茶ノ水」石造不動尊のご本体であると、歴代住職の口伝となって語り継がれてきています。
その裏付けとして、昭和十三年までは、現千葉城の敷地の他、千葉城跡一画ほぼ全体が智光院の寺有境内であったことと、毎年八月二十二日には、近在、特に成田街道沿いの新盆の施主による参詣者が三百四、五十人にも及ぶことで、その祭事も当智光院が継承執行しています。 -
曼荼羅二幅
この「曼荼羅」は、製作年代が室町時代と推定され、この度修復し、新しく表装し直したものです。
「曼荼羅」には、空海が伝えた密教の金剛界曼荼羅や胎蔵界曼荼羅、浄土教の当麻曼荼羅がありますが、当寺に伝わるこの曼荼羅は、中国の恵果和尚が特に弘法大師の為に画工に命じて描かせた曼荼羅と同じもので、「両部現図曼荼羅」と呼ばれるものです。 -
胎蔵界大日如来
大日如来は、真言宗の総本尊で根本仏とされ、本来の名は「魔訶毘盧遮那(マカビルシャナ)如来」で、マカとは大いなる、ビルシャナとは遍照金剛で、全てのものを照らす(遍照)仏の生命(金剛)とお呼びします。
総ての諸仏諸菩薩はこの如来より出生し、宇宙の実相総体を法身として、大宇宙そのものが大日如来そのものです。
大日如来の徳は、除闇遍明、能成衆務、光無生滅の三徳で、この世を隅なく、昼も夜も照らし続け、闇を除き、全てのものを育て活動せしめ、その光は永遠不滅であり、太陽の威力をさらに上回る大光明の徳を持っています。 -
金剛界大日如来
大日如来を「毘盧遮那宝剣」に還姿したもので、
黄金の昇り龍の中心から光り輝く宝剣が突出し、
その中央に金剛界大日如来の種子「」(バン字)が神々しく浮彫りされ、無限の宇宙に向かって燦然と立ち上がっています。 -
愛染明王
弘法大師の時代、日本に請来された愛染明王は、
人間の愛慾煩悩を焼き尽くし、浄菩提心にせしめる明王で、煩悩即菩提(煩悩を認識することがそのまま菩提に至る)の心理を示すものとして、真言宗では特に重要な尊として信仰され、御面相も優しさの入り混じったような怒り顔です。
無量の罪を減じるとともに、万悪の災いを全て取り除き、衆願をことごとく成満してくださり、その霊験の甚疾なることは、衆星の光に類し、この明王を信仰する者の徳は海内に満たされ、恭敬する者の命は人間界に幾久しいと、「瑜祇経」に述べられています。 -
徳川家伝来の書
この三幅対は徳川第五代将軍綱吉の御座の間か、綱吉生母桂昌院が帰依していた隆光大僧正が算題に使用した言葉であり、先ず隆光が「如実知自心」と書き、それに次いで豊山派(長谷寺)第十四世、智山派(智積院)第十世の両能化英岳、専戒が夫々染筆したものといわれています。
「如実知自心」 護持院前大僧正 隆光書
「迷悟在我即発心即到」 小池坊(大和長谷寺)僧正 英岳書
「仏法非遥心中即近」 智積院(京都) 専戒書 -
延命招福子育水子地蔵菩薩
水子地蔵尊は、闇から闇へ葬られた見放された霊魂、人知れず暗い世界で迷っている魂を救ってくださる菩薩で、大いなる慈悲心で全てのものを救い育ててくださる、無尽蔵の力を持った御仏です。
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東海道絵図
二巻の巻物に納められた菱川師宣作の東海道絵図は、元禄三年に描かれたもので、千葉市に保存されている文化財の一つとして、たびたび紹介されています。
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お茶の水清水不動尊
千葉史跡「お茶の水」に安置される、「お茶の水清水不動尊」を本堂裏手に御招来遷座申し上げたもので、不動尊上部「竜の口」より楽華(落下)する三途の水で祈願を込めれば、百八煩悩のあらゆる罪過も忽ちに消滅して、三匝行道して清水不動尊の法水に祈念すれば、諸願成就して各自心中の善願は即疾に験現されること疑いありません。